これ

コンタクトレンズ小さい頃から病気がちで、体力のない子供でした。親の仕事の関係で東京、九州、大阪、横浜と何度も転校し、行く先々でいじめに遭っています。帽子をかぶってシャープペンシルを持っているだけで、「気取ってんじゃねえ」と砂場に顔を突っ込まれたりして、本気でいつか強くなりたいと思っていましたね。中学時代も仲間外れにされたりして悔しさやつらさは忘れられません。そんな時、僕を助けてくれる同級生がいました。友人がいれば大丈夫だ、と今も思う原点はそこにあります。

 人間としての在り方を教えてくれたのは、高校時代のテニス部顧問の先生です。相変わらず体も弱くてテニスも下手だった僕に、目の前のことを真剣にやること、コツコツ継続することと言い続けてくれた。あまりにも体力的にきつくて一度やめたのですが、それでも戻って来い、と。「お前は明るくて人柄がいいから、それを活(い)かして部活動を継続していけ」。その言葉は僕の自信になっています。

 気合で入学した大学で驚いたのは、苦労していないお坊ちゃん、お嬢ちゃんがあまりにもたくさんいること(笑い)。僕は結構つらい思いをして育ってきたから、こんなに甘い人たちがいるのか、人間は実にいろいろだと感心したし、苦労するのは悪いことじゃないと思ったものです。

 おしゃれなデパートには縁のなかった僕を大学のOBが推薦してくれて伊勢丹に入社するのですが、その時の言葉は「君はインテリジェンスに欠けるけど、なかなかユニークだから」。人は人間のいろんなところを見るものです。70人を超える同期はみんなセンスのいい子ばかり。入った瞬間に僕は自分がどう見ても田舎の少年だと悟りました(笑い)。

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